臭素系洗浄剤の将来について

現在 臭素系洗浄剤に環境規制0.5ppmが厚生労働省を中心に議論が行われています。
0.5ppmで臭素系洗浄剤の将来はあるのでしょうか。
私の結論では十分に将来はある、と言う事になります。その理由を記していきます。
現在臭素系洗浄剤特有の必要性があるのか? これが大きなポイントです。
それが必須条件であれば、臭素系洗浄剤の将来はあると考えます。

① 臭素系洗浄剤の競合品の代表格は、HCFC225です。一般的な価格は臭素系洗浄剤の数倍程度。洗浄力は同等ですが、これは2019年に製造中止になっています。
⇒臭素系洗浄剤が代替可能。
② 競合品の2番目はHFOです。一般的な価格は臭素系洗浄剤の数倍程度。洗浄力は、臭素系洗浄剤より若干低いと思われます。沸点は臭素系より20-30低い。平均的には、使用量は臭素系洗浄剤の数倍くらい必要で、そのため、同じ量の洗浄に対し、全体のコストは10倍以上となります。
⇒臭素系洗浄剤が置き換われる可能性が高いエリアです。
③ 競合品の3番目は次世代フッ素系製品Aです。沸点は臭素より若干低い。価格は臭素系と比較し10倍くらい高価。
⇒臭素系洗浄剤が代替可能。
④ 水系の洗浄剤:排水処理設備が追加で必要となる。油は水では落としにくい。水シミが残ることが問題。速乾性に劣る。
⇒臭素系洗浄剤が有利。
⑤ 炭化水素系洗浄剤:ほとんどが、「危険物」に相当(消防法の規制を受ける)。そのため、防爆など、特別な仕様の建屋・装置が必要となる。また、沸点が高い傾向があるため、乾燥に時間を要する。油シミができやすい。
⇒臭素系洗浄剤が有利。

以上の点を考慮すると、臭素系洗浄剤が活躍できる場は、まだまだあるのでは、と考えます。

もちろん、本年3月29日に、厚生労働省から通知(本協議会サイト内「関連法規 1-ブロモプロパンに関する主な慣例法令等」内 nPB checked 2019-03-29)のあった通り、適切に使用していただくことが重要ですので、当協議会の他のコラム記事や、「1-ブロモプロパンとは」の欄の使用方法の記事をご参照ください。

皆様、今後とも臭素系洗浄剤を、安全に、幅広くご活用ください。