厚生労働省 職場の安全サイトを見て思う事

参照リンク
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101510
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx

• ガス容器の洗浄作業中、1-ブロモプロパン中毒となり死亡
• 養生用治具の洗浄作業における有機溶剤中毒

どちらのケースも発生要因が不明瞭のまま、1-ブロモプロパンが第一の原因であるように明記されています。臭素系溶剤を使用されておられるユーザー様はご理解いただけると思いますが、暴露濃度が高くなる環境での作業(そもそもそのような環境を作ってはいけない)にも関わらず、保護具を使用並び暴露低減の管理が出来ていなかった事が最大の要因ではないかと思われます。

ハロゲン系溶剤(種々ありますが)、それらの有機溶剤の特性として空気に対する比重が重たく、空気流動管理を行っていない環境では、下の方に滞留していきます。その際に最初に疑われるのは窒息です。すなわち酸素濃度が極端に落ち、窒息症状をおこし倒れてしまうケースがあります。BCAが知りうる毒性の知見では、死亡に至るほど、毒性は強くないと思われます。詳しい調査結果が開示されているわけではないので想像の域を脱しませんが1-ブロモプロパンは、有機溶剤の一つですので、中毒症状が全く起きないと言う事はないにせよ、死亡に至ることは考えにくいという見解です。(血中の特定化合物濃度を測定し致死量を判定する必要があります。)

過去の例は非常に残念な事例ですが管理の為には貴重な情報です。現在では、どうしても暴露の高い環境下で(例えば緊急補修などを行う作業員)は、第一に窒息を想定して適切な保護具と共に酸素ボンベを使用しています。緊急でない場合には十分乾燥後に洗浄機などのメインテナンスを行う事が通常と考えます。

1-ブロモプロパンの毒性、中毒を溶剤の特性として熟知し(過信は禁物ですが必要以上に恐れるのではなく)、暴露濃度を極力減らすための環境管理改善を優先して下さい。更なる不要な労働災害が起きないようにもう一度SDSは精読していただけますか?

最後になりますが、これを機会に現場を見まわし暴露防止の徹底管理を会社ぐるみでご対応していただけますようお願い申し上げます。