許容濃度0.5ppm(勧告値)は規制値なの?

現在臭素系溶剤を脱脂洗浄として使用されておられるお客様からは、塩素系溶剤以外の選択ではベストな選択である、ということはよくお聞きしています。

しかしながら、“臭素系溶剤はもうすぐ規制を受けるから。。。“と言う風評および市場での間違った判断から、多くのお客様から今後どうなるのか?との問い合わせを頻繁に受けます。
確かに臭素系溶剤は、優先評価化学物質としてリスクの評価が優先される事が2018年4月に発表されましたが、リスク評価の観点で2018年9月現在議論はあまり進んでいないようです。

BCA(ブロモカーボン協議会)は現状知りうる化学的見地にしたがって、正当に議論が進むよう様々な文献を提出し関係当局に働きかけています。今のところ、将来管理濃度が法律で決まるかどうかはわかりません。よって現在の所、継続的使用は管理された環境で可能です。BCAは、最善の科学的手法に基づいて過去の文献データのレビューを行います。

ご存じの通り、臭素系溶剤の主成分である”1-ブロモプロパン”はリスクアセスメント対象物質です。よって有機溶剤の一種として取り扱って頂き、特に暴露濃度が高くなると思われる環境では、適切な保護具、耐溶剤性の手袋の着用をお願いします。又、TLV-TWA 0.5ppm(日本産業衛生学会の勧告値:勧告とは相手方がその内容を自発的に受入れることを前提とするものであって,相手方を拘束する力までもつものではない。)が8時間平均暴露濃度の目標値になりますが、0.5ppmをクリア出来ないとダメ!と言うわけではありません。その意味では、勧告値は規制値ではありません。企業の暴露を減らすための継続的な努力と対策が労働者安全につながります。

一部の環境測定会社で過去見られた事例では、0.5ppmを切らないと使用不可とも判断されかれない報告があることが判明しました。残念な事ですがそのような報告は誤解を招く原因になると思います。又、ガスクロを使用した暴露濃度測定を厚生労働省は推奨していますが、比較的高い費用が発生する事からBCAとしては出来ればもっと安価で現場で簡易的に常時モニター出来る方法の適応が望まれるところです。

BCAが所有する文献、(アメリカでのパブリックコメント等を含む)で判断するには、管理濃度を拙速に決めるには時期尚早との立場を取っています。

最後に、BCAとしては皆様に役立つ情報を発信し続け顧客の早急に代替え溶媒の検討を強いられることのない様努力いたします。比較的コストパフォーマンスが良い臭素系溶剤を安心して継続的にご使用下さい。今後の活動にご期待ください。